第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
外に出ても眩しくない
早速装備した外套が、顔の周りに影を作り、身体全体を覆う
首の部分で布が繋がっているこの外套は、前の部分が開く
故に、意外に動きやすい
これならば問題はあるまい
日の光も、知らぬ人の目も少しは気にならなくなる
いつもと同じだ
何はともあれ、街の出口に急がなくては…
一緒に戦う気はあるのに、勝手に置いていかれては困る
そう思うとすぐに走り出した
賑わう街の中を、人を掻き分けて走る
幸い、この街の出口は一ヶ所だ
だから迷いはしない
押さえきれない興奮と、それでも付きまとう不安を胸に場所へ向かう
今までにないくらいの勢いは私の足を速め、すぐに出口の付近へと私を運ぶ
見えてくる影、数は…幾つだろうか
他の外に出る人のお陰で、何処にいるか探さないといけないかもしれない
人込み…という程でもないが、何処にいるかが分からない
足を止め、息を整えるついでに周りを探す
何処だ…何処にいる?
また人込みを歩かなくてはならないか、と考えていると―
「だ~れだ?」
―視界が暗くなると同時に、今まで何度も聞いた声が私の耳に響いた