第11章 第11層~第20層 その3 "事案"
十六層―
エレックと名付けられた街を中心に据えたこの層は、電気の一言に尽きる程、電気に満ちていた
街そのものも、数々のネオンが光を放っており、混沌満ち溢れる繁華街の様相を示していた
フィールドの方も何らかの施設の内部という形のものが多く、様々な光量の電気明かりが私達を迎えていた
そんな中、私達オリジナルセブンはフィールドへ出向いていた
目的は"ギルダークエイク"と呼ばれているモンスター
これを討伐するクエストに出向いている私達は、発電所と言えそうな施設の内部を探っていた
時折、空中を移動する緑の電気ナマズ―サンダーローチと言うようだ―をいなしながら、施設内を歩く
私達の探す敵はこれの巨大版…という情報をネリーから受け取っている私達は周囲を見渡しながら、幾つかのエリアを既に移動している
周囲を見渡す瞳はクエストボスだけに集中している訳ではない
むしろ警戒すべきは人…PKを行うプレイヤーである
本来ならば、プレイヤー同士で協力すべきなのだろうが、皮肉にも最も危険な相手であると言わざるを得ない
特にあのトンファー男―ただでさえ危険だと断言出来るあの男は、私を狙っている
私でなくとも、"楽しい"の一言で人を襲う
あんな奴に命を奪われては堪らない
故に、モンスターよりも警戒すべき対象となっていた