第11章 第11層~第20層 その3 "事案"
牛蒡抜きとかそんなレベルではない程に私は加速―集団から飛び出る
脚の回転は、恐らく今私の出せる最大限の回転で、一瞬でも縺れてしまえば、回転するのは私の全身となる―そういう状態だ
誘導用の道が作られている先端に到達
道が作られるのと同じスピードで私は走る
敵はかなり地上に近くなっており、その巨大さ―威容を私達に、空から見せ付けていた
だが諦められない
例え上から、巨大で強大な威容が襲い掛かったとしても、私達は勝って生きて帰らなくてはならない
だから諦められない
故に私は、更に速くなる
誘導用の道は、少しずつ斜め上に傾いた後―発射台のように無くなった
代わりに先にはビルが何棟かあり、それも緩い階段状となっている
私は考える事無く、そのビルへ飛び移る
一棟のビルの屋上を越えて、更に進み、進み、進み―それも終わりが見えた
最後は飛ぶようにして、前へ跳躍―街の外へ飛び出していく
街の外にも道は続いているが、周りを林に囲まれている
空中で剣を抜き、地面で突き立てるように着地
剣がコンクリートを砕き、抉りながら前へ滑り、同時に靴底を磨り減らしながら減速―停止する
上を見れば、巨大な目
確証は無いが恐らくここが中心だろう
コンクリートから剣を抜き、身体を低く構える
そのままブーストをかけ、身体のバネを使い、跳躍―
「吹っ飛ばしてえぇぇぇ!!」
剣の腹を掬い上げるように、ボスへ当てる
少しでも良い、跳ね上がって時間を稼げれば―
そう思っている私に訪れたのは、予想外にも反発であった