第11章 第11層~第20層 その3 "事案"
この世界における悲鳴が意味するものは数少ない
十中八九、危険な状態に陥っているという事だ
(何処から?)
半屋内と貸している現在位置で、思わず周りを見回すも私達以外の姿は無い
何処かを探すしかない―そう感じた時、現在位置に設置された自動扉が開き、一人の人―プレイヤーが現れた
小柄な少年だ
髪を金色に変えている彼は、私達の元へ全力で走り、瓦礫に躓いて倒れたのである
「大丈夫か!?」
倒れた彼に部長が近付き、身体を支えながら立たせる
細目である彼の顔に、しっかりと恐怖の二文字が映っているかのようだった
「た、助けて…」
「何があった、何から助ければ良い?」
ボロボロの少年を引っ張りながら、部長は質問をするが、少年はパニックか何かに陥っているようで、答えられる様子ではない
とにかくこの少年を安全な所へ送らなくては―と考えている時、少年が来た方向から新たな人影が現れた
それは私達の知っている人で、何でここにいるのかと問いたい人で、絶対に会いたくない人物―
「なんだなんだ、ここにいたのか。探したぜ。さぁ、続きやろうや」
―あのソロプレイヤー、トンファー男であった