第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
クリアを目指す
つまり、多大なリスクを払って戦う
命を懸ける生き方だ
「皆も多分自分の気持ちがあるだろうから、強制はしない。例え俺一人になっても、戦ってみせるつもりだ。だけどもし…着いてきてくれるなら、一緒に戦おう」
そこまで一気に言うと、もう一度息を整える
この部長の選択―いや、覚悟と言った方が良いだろう―これに対して、私は何を選ぶか
「30分後、街の出口で待ってる。俺と一緒に来てくれるなら、そこで落ち合おう。それまでは街を見るも、もう一回寝るも好きにしてて良い……それじゃ、解散」
一応の解散
もしかしたら、二度と会わないかもしれない解散
一人歩いていく部長の背中が小さくなる
時間も時間で、少しずつ人込みが増えてきていた
「さてと、俺も早速勝手にさせてもらうか…じゃあな」
部長が見えなくなった時点でシンジ先輩が動き出した
部長とは真逆の方向へ彼も歩いていき―見えなくなった
「…行くか。じゃあ皆、オレはとりあえずこれで」
今度はケンタ
先の二人とは違う方へ、また歩いていった
「…はぁ、先輩もケンも勝手だな」
現状、男子メンバーで唯一残ったユウがボヤく
溜め息混じりのボヤきだが、直後に「まぁ、気持ちは分かるけどね」と言う限り、決して批判というわけではなさそうだ