第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
「それで、一日休んで考えは固まったんですか?多分―」
「―俺達全員が気になってるからな」
不意の声
後ろを振り向くと、シンジ先輩他コンピューター部の面子がいた
誰も自身の状況への深刻さと、部長がここで何を言うかへの興味がない交ぜになったような興奮を浮かべている
「……色々考えたよ」
ややあって、部長が口を開いた
昨日という日を色濃く残した口調
「ログアウトは出来ない、圏外に出てHPが0になれば死ぬ…それは自分かもしれないし、この中の誰かかもしれない…まず、俺は死にたくない。この中の誰かが死ぬのも嫌だ。ここまでなら、動かずここに居続けるのも手なんだ。だけど…」
ここで、一度息を整えた
ここから先を口にするという事は、この世界における自分の方針―生き方を決めるという事
「―多分それは出来ない。結局生きてる間に苦難があるなら、逃げて生きるより向かって生きたい…俺は、クリアを目指す」
一つの、大きな決意である