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SAOGs

第11章 第11層~第20層 その3 "事案"


無事である、という事実に胸を撫で下ろす

だが、それで状況が変わった訳ではない
足場は復活の兆しを見せず、ボスの激しい攻撃は続いている
射撃攻撃は盾や杯からの風に防がれ、届かぬまま時が過ぎる

我々プレイヤーが直接行こうにも、跳躍だけでは限界がある
そしてこの世界では、我々プレイヤーは魔法のように飛んだりだとかは出来ない

(飛ん…だり…?)

ふと、その言葉が頭をよぎる
そして、今しがたケンタが叫んだ言葉がリフレインしていく―飛んでけ、と

その瞬間、何かが繋がった

直後、振り下ろされた剣を避け、同時に放たれた火球を避けたエリーと合流する

(そうだ―エリーなら…エリーと私なら…)

―出来る
以前やったじゃないか、とばかりにまだ新しさを保った記憶が甦る
あの時とは多少状況は違うが、基本は同じ

なら、四の五の言っている暇は無い
やれる事は、全部やらないと…

「エリー」

回避した直後のエリーがこちらを向く
ボスへの警戒は忘れていないが、しっかりとこちらを見ている

「力を貸して。私を、あそこまで飛ばして」

そして私は真っ直ぐにボスを指差しながら、それを提案した
エリーはすぐに合点がいったらしい
私を注視しながら、口を開いた

「危ないよ。"破壊のカリスマ"の時くらいに」

全くもってその通り
間違っていないのは、戦っているからこそ分かる

「そうだね。だから…」

だから―少し目を閉じて、頭を探る
見付けるのは"引き出し"
引き出すのは、私の全力

「だから私は全力で行く」
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