第9章 第11層~第20層 その1 "Original"
部長がそう語った直後、件の老人が口を開いた
『そうか、君達は…"オリジナルセブン"というのか!』
――オリジナルセブン
老人が口にした名前は、今しがた部長が入力し、登録したギルドの名前
「どうだ、割りと悪くないだろ?」
軽くドヤ顔を決める部長にシンジ先輩は苦々しい顔をしていたが、ゆっくりと溜め息混じりに口を開いた
「あぁあぁ、そうだな。決まったものからは逃げられん。これから気に入れば良い話だ、そうだろ?」
この言葉に部長は満足したのか、更に設定を進めていった
設定と言っても、誰がリーダーでとかその手の事だけかと私は思っていたが、部長が途中で何かを発見したらしく、口を開いた
「お、渾名も決められるのか。なら…ちょちょいのちょいっと…」
そう言いながら素早くキーを打ち込んでいく部長の姿をシンジ先輩は何も言わず、遠い目で見ていた
「…良いんですか?」
「好きにさせる」
少しいたたまれなくなり、聞いた私の疑問に同じ目線でシンジ先輩は答えた
そうこうしている内に、全ての設定が終わったらしく、私達の目の前にウィンドウが現れた
『ギルド―"オリジナルセブン"を設立しました』
これで私も何処かに所属するプレイヤーか
嘆息にも似た感情を感じながら、詳細に目を通す
すると、メンバー表―私達一人一人の名前の横にまた別に何かが書かれているのを見付ける
なるほどこれが、今しがた部長が口にした"渾名"か