第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"
このままでは押し負ける―そう思い始めた時―
「だあぁぁぁぁ!!」
私の剣の近くへ大きな斧
光を纏ったそれはギリギリ拮抗していたバランスを崩し、ボスを私達の左へ跳ね飛ばす
ボスが派手に水飛沫を上げ、背面から水中へ入ったのを確認したのを確認した後、振り替えると斧を支えに頭を押さえながら立つケンタが視界に入った
「どうよ…オレもやるもんだろ」
先の頭痛のせいか気分が悪そうではあるが、ボスが落ちた方向を見ながら「してやったり」と言わんばかりの顔をしていた
「全く、とんだ力任せだけど助かったよケン」
超音波から解放され、改めて七人全員が集まる
他のプレイヤー達もパーティごとに集まっているようだ
とりあえずの危険からは離れたが、まだまだボスは健在だ
いつまた襲いかかるか分からない
しかし水中にいる限り、どういう訳かダメージは無い
故に私達は強制的に後手に回らざるを得ず、厳しい我慢の戦いを強いられる
「あ、いやそれなんスけど―」
何処からボスが来るか分からない故に全方位を協力して見ようとしていた私達にケンタが声をかける
その声は私達の抱く緊張とは違うものを持っているように聞こえる
「オレ、あのボス釣れないかなって思うんスけど…どうです?」