第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"
部長他、いつもの面子も次々と渡ってきた先に、さっきまでいた船が沈むのが見える
アレに乗ったままなら、多分死んでいた
その意味では安心だ
しかしボスはまだ健在―むしろ戦いは始まったばかりだ
何故水面のボスにダメージが入っていないかは分からない
とにかく、ボスにダメージを与えたいなら水上―こちらへ来た一瞬にチマチマやれという事か
その考えに辿り着いたと同時にボスが跳ね上がり、ただでさえ広大な甲板の一部を占領する
着地の衝撃で甲板の端が崩れ、漁礁へと変化していく
だが、今こそがチャンスだ
これを逃せばまた面倒な事態になる
そう思った私はボスへ駆け出した
同じ考えに至ったのか、他の面子やプレイヤーもボスに向かっている
こうなると最早、当初決められていたボス担当順等関係なくなるが気にしてはいられない
ボスへ向かいながら、また考えを巡らす
陸上活動可能な魚、それが陸上にいる
という事は基本的な構造から考えると、次に行うのは…跳ねて暴れるか口を開いて食いついてくるかのどちらかだろう
なら対処は簡単だ
攻撃を払いながら跳ねたら上、食いついてきたら口の中を斬れば良い
どちらにしろ正面からいかなくてはならない
相手から目を反らさぬまま、真っ直ぐに走る
ボスはおもむろに、口を開いた―なるほど、食いついてくるか
(だったら、そのまま真っ直ぐ―)
そう考えた私の思考は直後起きた事象によって止まった
思考だけではない、身体も動きを止めざるを得なかった