第8章 第1層～第10層 その7 "一区切り"

ここをクリアすれば本格的に二桁の層となる
それ故､多くのプレイヤーが意気込んでいた
勿論私達もその内の一つであったが､私個人としては常夏雰囲気のこの層はやはり陽射しが厳しく感じられ､さっさと次の層へ行きたくて､意気込んでいた
この違いは重要である

そうやって様々なプレイヤーが意気込んでいたお陰か､ボス部屋は早くに見つかった
そこからの動きも早く､逆に落ち着いて動いた方が良いのでは…と感じる程でもあったが､クリアしてしまいたいのも事実である故何も言わずボス戦へと参加するのであった


今回―第十層ボス戦へと続くヒントは､またも今までと違うと言えるものだった
それは子供が書いたようなクレヨン画と言うべきものだった
少し色がはみ出した濃い色合いの絵
中身は広大な海に浮かぶ船､水面を跳ねるイルカ､そして釣り人であった
単にこの層の事を書いたのでは…と思うかもしれないが､気になる事が一つあった
釣り人の頭の部分に｢裏｣と書いてあったのだ

一体どういう事だろうかと疑問に感じはしたが､確実な答えは得られない
だからこそボス戦に参加して､その答えを確かめるしかなかった

最悪それについては分からなくても問題はない
むしろ気になり過ぎて戦いに支障が出ては意味がない
まずは生き残らなくては…それが私の願いなのだから