第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"
「そろそろ俺達も出る。頼むぞ、ユウ」
「了解です」
「大事な所だから、しっかり守ってよね」
「君に言われるまでもないから、安心しといて良いよ」
右翼から声―シンジ先輩、ユウそしてミヤの三人だ
私達がボスの攻撃を払っている間、彼等はユウを先頭に駆け出す
普通ならば完全に横を取ったこの行動、突如ボスが更に腕を生やし、剣を三人に突き立てる
だが、それを読んでの三人行動―先頭のユウが盾の武器スキルを発動させ、複数襲い掛かる剣撃を一手に引き受ける
「それでこっちも―」
「一人任せは、イカンよな」
盾の脇から二人が低い姿勢のまま飛び出し、左右から攻撃を仕掛ける
シンジ先輩がユウを攻める腕を斬り、開いた空間にミヤが影本体を突き刺す
そのダメージか、ボスが大きく怯む姿を見せた時、後ろから声―次の部隊だ
まずは順当にダメージを削り、そして交代―それでいける筈だった…のだが…
「来んなよ、馬鹿が」
トンファー男が無理矢理千切ったボスの腕を、後ろの部隊に投げつけたのである