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SAOGs

第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"


私の目の前には何本もの剣が迫っていて、私には一本しかない
だから速く、速く速く速く速く速く―腕を動かし、斬撃を繰り出し、剣を振り続ける
ボスの斬撃に追い付いているか…愚問、否だ
故に私は細かい攻撃を受け続け、ダメージを蓄積させていく



「大丈夫」

脇から声が聞こえた
直後、目の前の腕が全て一纏めとなる
月明かりに反射する一つの軌跡の先に―エリー
建物の塀ギリギリの位置からチャクラムを射出している

攻撃に回っていた全ての腕がチャクラムにより、纏められ攻撃の手段を失っている
つまり―

「オレの出番ってな!!」

私の後ろから跳躍するケンタ
ボスを越えて着地し、武器である両手斧と腕が光を纏う

「どおぉりゃあぁ!!」

ブーストと武器スキル、二重にかけられた一撃が纏まったボスの腕を真っ二つにし、跳ね飛ばす

ボスの腕達が離れ、空を舞った更にその上―部長が既に槍を先頭に自由落下、ボスへ一直線に突き立てる
しかしそれが刺さる直前、影ともとれるボスの身体から先程よりも多くの腕が生え、槍を抑えた
すかさずボスは剣を部長へ向ける
顔ともとれる仮面を向けていないのに、かなり正確な斬撃だ
だが、部長もやられはしない
襲い掛かる剣の腹を蹴って、移動―その後も襲い掛かる剣を同じように蹴り、ケンタの隣へ着地
そこから槍を斜めに、交互に回しながら剣を払いに入る

無論、私も止まった訳ではない
腕が生えた時からまた、払う
隣のトンファー男もボスの腕が無くなった瞬間はともかく、生え始めの時から動作をしている
その表情は変わる事無く、愉悦の二文字
こちらは必死の二文字であるというに…誠に不愉快である
だったら自分に集中しろ
そう自分に言い聞かせ、もっと速くなるよう剣を振り続ける
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