第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"
いや、自分もここまで良く覚えていると感心しかけるが、今の関心事はミヤとユウの事だ
フィールドを歩いているというに随分と余裕だな、と自分でも思うがそれ以上に興味が今は勝っている
何故なら私の友人の事であり、友人の人間関係の事であり、男女の事であるからだ
そして私は彼女の友人であり、共に十代後半に分類される思考を持っている
まぁ要は、私もその手の事への興味は持っているという事だ
この際私に縁や経験があるか無いか等どうでも良い
目の前の疑問が重要であり、私にはそれを解明する義務があり使命がある
故に私は―
「ねぇ、ミヤ」
「ん?どした?」
「ミヤとユウって、どういう関係?」
―爆弾を投下するのだ
直後ミヤは霧のようにコーヒーを噴いたかのような音を口から発した
「ちょっ…ハァ!?」
割りと本気でコイツ何言ってんだ的な顔をされるが知った事ではない
無言でミヤを見つめ、回答を促す
向こうにはフードの中から眼光が見えているかもしれないが、決して気にする事でもない
「私も、気になる」
エリーがミヤの左に立ち、迫るように呟く
ここでエリーが乗ってくるのは予想外だが、効果は充分だ
「いや、気になり申されてもね…別にそんな、変なもんじゃないって」
無言で迫る人数が二人に増え、先程よりもミヤはたじろぐ
さぁさぁぶっちゃけてしまいたまえ、などと考えていると三人目―ケンタがミヤの右から介入してきた
「実はオレもちょっと気になって―」
「テメェは黙ってろ!!」
ケンタの介入は一瞬でミヤに破壊された
彼は「何でオレだけ酷ぇ!」と言いながら引き下がった
一人だけ酷い扱いなのは…まぁ、気にしないでおこう