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SAOGs

第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"


夜の塔を休み休み進んでいると、不意に一つ気になる事柄が頭に浮かんだ
それは今私の前を歩く人―ミヤの事である

第八層ボス戦時、ミヤはあの手のスプラッタ的なものは無理である上で、散々な目にあった
それ故大きく取り乱し、ユウの力も借りてすぐに後退した訳だが…その時のとある一言は良く覚えている
ユウの事を「ユウチャン」と呼んでいた
確かに彼のアバター名はユウだし、現実も佑という名だ
そこに君だのさんだのちゃんだの付けても、基本的には違和感は無い

だが、あの時のミヤは取り乱した状態だ
取り乱した状態で出る言葉は普段と違い、より本人の真に近い
という事は…あの呼び方には、何かあるという事だ

更にここで色々思い出してみると、一つ引っ掛かる事案がある
思い返せばユウは何気なくミヤを気遣っている場面が多い
製作者藤井氏による真のスタート後の暴動時は人混みからミヤの手を引いて出てきた
翌日街で一度別れた時最後に残ったのは二人だ
第二層のトロッコに乗った時は「気を付けて」なんて言ってたし、第六層ボスと戦い始めた直後は受け止める為とは言え、空中から降りたミヤをユウが抱き留めている
そして先の第八層ボス戦―それ等を統合すると…

(あの二人…どういう関係?)

絶対に何かある
しかし、お互いの基本的な対応が現実と余り変わらないので今まで分からなかったし、今も何かあるくらいにしか考えられない
だが、何かあるのは間違いない
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