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第8章 第1層~第10層 その7 "一区切り"


薄い青に染められた塔の内部を登る
迷宮区でもないのに塔を登るとは如何なものか、と感じているが登らなくては先には進めない

現状、例の徘徊するネームドには出くわすという事態にはなっていない
少なくともそれは私達にとって幸運だった
ただ、それ以外の敵が妙に面倒だった
その辺を徘徊している個体もいるのだが、どうやらこの塔内部では壁や床、天井―まぁ、あらゆる場所から敵が出現する
一見隙間も無いような所から、まるで染みが広がるかのように影が現れ、身体を構成する

決して強くは無いのだが、何分驚いてしまう
それはそうだ
自分の部屋の壁に急に染みが広がって、それが飛び出せば誰だって驚く
それを考えると、方向性は違うものの"暗い感じ"そのものは、第八層と変わっていないという事になる
非常に止めて欲しいと感じる

同時に、敵に対して疑問を持ち始めた
現状私達の出会った敵は"マーヤ"と名付けられた影から腕と顔を出しただけの敵と、空中浮遊するティアラの二種である
それぞれ見た目や能力―あらゆる面で違うものの、一つだけ共通点を見付けたのである

それは仮面である
マーヤは青く顔全体を覆えそうなもの、ティアラは暗い赤で眼鏡のように覆うもの
特に何と言う訳でもないのだが、武器以外で明確に持ち物等が分かる敵も珍しいように感じるので、何となく覚えてしまったのである

しかし、そんな情報を覚えても残念ながら敵を倒す事には繋がらない
いずれ忘れるだろう情報を頭の端に追いやりながら、更に奥へ進む
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