第7章 第1層~第10層 その6 "Once More"
先に進んだ面子の姿は無い
どうなったか分からないが、今は無事を信じて私達も進むしかない
そうして私達は走り出したが、両手剣男は何故か動かない
何があったかと振り替えると腕組みをしている
「アンタ何してんだ!?」
シンジ先輩の声に漸く反応を示した両手剣男は、すぐに追い付いた後に口を開いた
「いや…少し思い付いてな」
「何をだ!?」
「奴を一撃で倒せるかもしれない方法だ」
彼が口にした言葉に私達が驚いた瞬間、またも振動―そして視界に、残り時間1:00
さっきよりも時間が無
それまでにボスを倒せれば良いかもしれないが…
「逃げた先に勝ちがある。ともかく来い!」
今はこの両手剣男に従う他無いだろう
事実ボスが後ろにいる
今走らなくては…
先程よりもコンテナの迷路自体は単純になっているが、ボスの追撃が激しくなった
時間内に生きて逃げる為には反撃等を考えず、ただ逃げるのみ―一見無様だが、その先に勝ちがあるなら走るのみ
「で、具体案!」
走りながらシンジ先輩が叫ぶように口を開く
先程から走っているのもあって、息が心配になる
それに対して両手剣男は全く息の切れていない様子で答える
「突き落とす」
「なるほど!」
この一言で中身が分かったのか、二人はそれ以降走る事に集中していた
(一体何を…)
と考えた時、案が読めた
しつこいボス、このステージ、下は奈落
そういう事か…!
後ろから追い縋るボスをかわしながら、更に単純化したコンテナの道を進み、走り、その先に―箱の終点へ辿り着いた