第7章 第1層~第10層 その6 "Once More"
開く扉、先から漏れる光は少し暗い
はたして此度の戦いはどうなるか…
セガール指揮での今回の戦い、六番目の部隊を務める私達はその様相を目にする事になる
始めに感じたのは、雨
それも普段なら傘を使うレベルの雨
私は幸いフードがある為頭は濡れないが、皆はどうだろうか
……ここがゲームであっても、風邪を気にするなんて…と思いながら周りを見回す
暗い、夜に雨が降っている―そんな暗さ
目の前には、幾つものコンテナ
理路整然…という訳でもないが、ある程度綺麗に並び道と言えるようなスペースを作っている
そして更にその周り―コンテナと私達を囲む、鉄の箱
格子状に編まれた鉄と枠となっている鉄が私達とコンテナを囲んでいる
箱はクレーンのような物で吊るされており、下は奈落
箱とコンテナについた僅かな灯りが、余計に下の闇を深く見せる
ボスはまだ現れない
全員で探しているが、暗闇のせいかこちらから発見する事も出来ない
ただ雨の音と足が生む鉄が軋む音だけが響く
何処だ…何処にいる…
目を凝らし、耳をすましていると、全くそれの意味がなくなる事態が発生した