第6章 第1層~第10層 その5 "天才"
翌日―
四番目の部隊となった私達を含む約50名のプレイヤー達は例の絵を目にし、なるほどこれかと感じていた
羊皮紙に描かれたのと同じ構図の絵、それがこんな位置にある―やはりあからさまだ
まるで試作版から先のボスとステージのヒントだと言わんばかりにわざわざ用意されている
尤もこの層のステージは想像出来る、しかしあの菱形については意味不明だ
あからさまに用意されたヒント―しかし、製作者である藤井氏ならばやりかねない
あの珍妙かつ奇怪な人物だ、試作版のクリア状況を見てニヤつきながら作ったのだろう
情報としてはありがたいが、少し腹立たしくもある
まぁ…それはボスにぶつけよう
開かれた大扉の先が眩しい
フードがありながら手で顔を覆い、先に進む
次に見えた景色は絵に描かれたのと同じ色の澄んだ昼の空、そしてビル群―やはりあの絵は先のボスへのヒント、という事は…!
全員が見上げた先―正面の上空にはあの菱形…いや、正八面体
それが浮遊している
そしてそれの上には、HPバー
絵に描かれた菱形―今となっては正八面体がボスという事か
Ramiel―ラミエル、と読むのだろう
そう名付けられた正八面体がゆっくりと、私達の前に立ち塞がる