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SAOGs

第6章 第1層~第10層 その5 "天才"


それからというもの、私はすぐに戦線に復帰した
ただし、変な無茶はしない
また皆に迷惑をかけてしまうし、何より死にたくない、死を見たくないという今の願いを崩しかねない
それでは私は生きていけないからだ
この世界で、せめて決めた願いだけは通さないと…何だか私じゃない気がしてならなかった
だから私は無茶はしない―でももし、誰かが無茶をして危険に陥っていたなら、私も迷わず無茶をする

これもまた譲れない一線であった



そして、ネコッハを中心の街としたこの第七層は、朽ちたビル内部を幾つも通るフィールドとなっている
その中でも比較的楽というクエストをリハビリ代わりに選択し、クリアを目指す事にした

このクエストは単にネームドを倒すだけで終わりである、と情報が公開がされている
公開者はネリー、どうやら彼女は得た情報をいち早く公開する事でこれからも情報提供者の立場を続けるようだ


まぁそんな訳で私達は廃ビルの内部を歩き回り、漸くネームドの姿を発見した

巨大なクモ―の割には硬質という印象のある見た目…ネリーの情報によると、このネームド―ディスパイダーという名らしい―は見た目通りの硬い装甲を持ちながら、素早く動き糸を放つらしい


白と黄色に染まった身体が天井を蠢いている
柱の影に全員で集まり、様子を窺う
敵はまだ、気付いていない

「最初にシンジとミヤコで攪乱、その後はケンとユウ、俺とリリィでダメージを与える。エリーは…いつも通りで申し訳ないが、後ろから援護を頼む」

部長の言に各々が頷いて答える
ネリー公開の情報があるとは言え、油断は出来ない
それでも更に先の事態の為、もう一度ここで戦えるようにはしておきたい
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