第2章 第1層~第10層 その1 "旅の始まり"
暫く草原に作られた道を進んでいると、幾らか動物が現れていた
青い猪、としか言い様のないそれらは目付きは悪いもののフゴフゴと草を貪っている
「戦闘において大事な事は敵の脅威度を確認する事、自分の力量を知る事、この後説明する特殊技能を上手く使う事の三つだ」
背中に背負った槍を抜き、説明する部長
「第一に脅威度。これは敵のアイコンを見ると分かる。自分より敵が強ければ強い程、赤黒くアイコンが表示される」
目の前にたまたま現れた一匹の猪
アイコンは…少し明るめの赤
つまり、自分より微妙に弱い…という事だろう
「次に自分の力量。自分が今使っている武器、自分のレベル、後にも説明するけどスキルや何人と一緒にいるか正確に把握すると楽かな」
現状で言うなら7対1
武器はそれぞれだし、レベルも高くはないが全員でかかれば袋叩きに出来るだろう
「最後に特殊技能、まずはスキルだ。スキルには三種類ある。回復や敵の位置、ヘイトとかに関係するバトルスキル。攻撃や防御の時に能力を上げるブーストスキル。そして、所謂技を使う事の出来る武器スキル」
見てもらうと分かるかな、と言い部長が構える
少しだけ息を整え、一匹孤立した猪に向かっていく
そこそこの近距離になった所で猪が気付き、鼻息荒く部長に向かう