• テキストサイズ

SAOGs

第5章 第1層~第10層 その4 "ここまで"


着地体勢など全く取れず、無様に地を転がった
フードが外れ、頭部が全て晒されるがどうにもならなかった
止まった瞬間に、左半身に激痛が走ったのだから

「あ゙っ!…ゔ!」

見ると左腕が無い
混乱のまま私はHPバーに見慣れないアイコンが入ったのを見付ける

状態異常…情報にあった欠損状態だろう
空気か何かにもぎ取られたような、肩口が痛々しく赤いエフェクトを放っている

「ぐ…っ…ぎぃっ…!はぁ…はぁ…」

あまりの痛みは涙を流させど、叫びを上げさせなかった
短く枯れたような吐息が歯を食い縛っても口から漏れ出す


「リリィ!!」

急いで後退した部長達がかすかに見える
視界は涙に歪み、痛みで焦点が合わない
誰だろうか、肩に預けられ私達は後退―部隊切り替えとなった

一番後ろに着いたのだろう、移動と思しき足の擦れが止まった直後、力を入れられない私は倒れ込みそうなのをまた誰かに支えられた

顔が近くに見える、ミヤだ
歪む視界に見える彼女は顔の色を青くしていた

「リィちゃん…リィちゃん…」

状態異常は時間経過で治る
とは言え、現実にしてみれば残酷な状態だ
そして私達には、今これに対する手段を持たない
部長やシンジ先輩が他の部隊のプレイヤーを色々回っているのだが、私の知る所ではなかった
/ 739ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp