第5章 第1層~第10層 その4 "ここまで"
直後、次の部隊と交替
どうやらセガールは私達と同じようにあのトンファー男を利用する事にしたようだ
ミイラ取りがミイラに…みたいな展開はよくある
故に、それだけが私は気になったが今は後退だ
判断は前線に出た部隊に任せよう
「そうかい、お前ら上等だ!なんならお望み通りお前らもダルマにしてぶちのめしてやらぁ!!」
トンファー男はそう叫ぶと、さもボスの取り巻きであると言わんばかりに前線に出た部隊へ攻撃を始めた
よって状況は―三つ巴
本来のボス戦ならばあってはならない分裂だが、なってしまった今は仕方ない
幸いトンファー男の攻撃を前線のプレイヤー達は何とか上手く捌いているため、人対人の構図ではまだ被害は無い
相変わらずトンファー男にターゲットを取っているボスは、容赦なく攻撃をしている
心なしか攻撃スピードが上がっている
積極的に孤立していくトンファー男も、そんなボスに負けてはいない
「お前の相手は俺の楽しみだ。簡単に忘れねぇから安心しろ!」
両手剣をトンファーで抑え、弾き、武器スキルで四肢と腹を撃つ
前線に出た部隊は、どの部隊であっても漁夫の利を狙うように脇や後ろからボスを迎撃
それに対してトンファー男がボス誘導や攻撃で邪魔をするなと喚く
ボスだけではない―という今までにない妙な危険性を孕んだこの戦い、それでも死亡者が今の所いないという辺り、一般プレイヤーの力量も多少は上がっているという事なのだろう
そして二順目―私達の出番となる