第5章 第1層~第10層 その4 "ここまで"
この最後の追加分にほぼ全てのプレイヤーが沸き立った―「はぁぁぁぁぁぁ!?」という声ではあるが
この場で叫んでいないのはネリーと偶然出会った私達七人と恐らく既にそういう声を発したであろうセガールだけであった
「私さ、こんな事になるんじゃないかってあの人に会った時に感じたんだけど…」
「その感覚は間違ってないし、これから研ぎ澄ませておいて損は無いんじゃないかな」
そんな会話を続けるミヤとユウの横で私は深く溜め息を吐いていた
というか、全員溜め息を吐くしかなかった
「気まぐれって…何だよ気まぐれって…」
「ケン、ああいう人種にツッコミ入れても無駄だ。キリがない」
「シンジの言う通りだよ…全くテスターって強烈な人しかいないのか」
部長はテスターでしょう―というツッコミを堪えて別の事を考える事にした
気まぐれで済ましてしまう辺り、計算か天然かは分からないが私が気にしても仕方ないだろう
ただ一つ言うなら、こうやられると悩んだのが馬鹿みたいに思えてしまって、また溜め息を吐くしかなかった
気持ちを切り替えて頭に別の情報を入れる
状態異常についてだ
幸か不幸か私達七人は、状態異常の経験が無い
それ故、ボス戦中に状態異常にさせられた時にどうするか…それが課題だ
頭を悩ますならその方が良い
そんな風な気分になりながら、会議の席で過ごしていた