第2章 第1層~第10層 その1 "旅の始まり"
さて、武器コーナーに着いたのだが…
「……多っ」
思わずボヤきが出るくらいに多い
品書きを三分以内に見終わらないくらいに多い
とにかく、多い
「あの…センパイ…?」
私と同じように冷や汗を流しているミヤが恐る恐る手を上げる
「何を基準に選べば良いんですか?」
「好みと勘だよ」
そんな事だろうとは薄々感じていた
が、そんな直感を無視するのは不可能のようだ
その後、部長による武器種類についてのレクチャーがあった
あった…のだが…片手槌がどうだの、曲刀のクリティカル率が他と比べてどうだの、全く意味不明だった
私個人は、「入ろう!動物の公園」とか「シムハウス」だとかそういう系が中心だったから、ちんぷんかんぷんである
当然、ミヤも情報量が多すぎて訳が分からないという顔であった
またユウも大量の情報の前に苦笑いするしかなかったようだ
精々、シンジ先輩が頻りに部長に特徴やら長短所を聞いていたり、ケンタが「うぉー!」と武器というものに目を輝かせていたり、エリーが品書きを延々見ているくらいだった
……半分の人は良く理解出来てるのか
「っていうか、エリーはこの手のは分かるの?」
「大体は。まぁ、銃火器の方が好みだけど」
…さいですか
結局、良く理解出来なかった私は片手剣というジャンルを買う事にした