第2章 第1層~第10層 その1 "旅の始まり"
街中―
少し歩くと某巨大ホームセンターの如き巨大施設に着いた
「何はともあれ、まずは武器を選ぶ」
武器―と言ったがその為にこんな大きな施設が必要なのか
実は半分くらい空洞ではないか―と邪推してしまう
「因みにここは、武器に防具に消費アイテムに…とまぁ色々あるし、割りとリーズナブルな値段だから、試作版の時には世話になったよ」
部長はこう語る
つまり、全部乗せの施設だと
それならば、納得だ
そのまま部長に着いていく
内部は屋内フリーマーケットの様になっており、様々な店舗が軒を連ねている
その数、その盛況具合に思わず息を呑む程だ
「武器、と一口に言ってもその種類は多い。無いのが銃火器と魔法くらいなもんだからな」
「つまり、それ以外は大体揃ってると」
シンジ先輩が言い換える
大体武器になりそうな代物が揃っている、か…
人によっては迷いそうだ
そんな事を感じながら歩いていると、服の端を引っ張られる感覚
何かと思って見ると、エリーが服を掴んでいた
この人混みだ
小柄なエリーには少々歩き辛いかもしれない
手を差し出すと手を握ってくる
無言のやり取りではあるが、エリーの眼が少し流れていた
コンプレックスでも感じているのだろうか
そのまま自身の手を握り、ひょこひょこと着いてくるエリーの手を離さぬ様に、人混みを進んでいく