第7章 愛は嵐[R18]
「貴女?」
驚く銀さんをよそに私はその唇に触れたまま言葉を紡ぐ。
『まだ焦らすおつもりですか』
「え…あ、いや……その」
『言わないならもう寝ちゃいますよ』
「そ、それは駄目だ!銀さんの性格的に今この場で言っちゃわないともう二度と言えない気がす……っ‼︎」
再び饒舌になり出した唇をギュッと摘まむ。
銀さんは紅い瞳を再び丸くしていたが、やがて観念したように目を伏せると私の手を優しく退けさせた。
「……よし、言うぞ」
『はい』
私は小さく頷いて微笑む。
一回。
二回。
大きな深呼吸の後、銀さんは一息に言い切った。
「俺の彼女になって下さい」
言い終えるや否や返事も聞かずに立ち上がった銀さん。これまた酔っ払いとは思えぬ速度で寝室を出て行ってしまう。
バーンッ!ガシャーンッ!的な騒音が台所の方から聞こえてくるが……一体何をやってるんだろうか。