第6章 まさかの桂無双[R18]
船内は今や騒然としていた。
宇宙一バカな侍、本作の一応主人公こと坂田銀時が殴り込みを仕掛けて来たからだ。
あちらこちらで緊急警報が鳴り響き、地鳴りにも似た振動が宇宙船を襲っている。
「……オイてめェ、そいつが誰の女だか分かってんだろうなァ」
床に散らばったガラス戸の破片を踏みしめて銀さんは凄んだ。決して吠える事はしない、冷静な声音。
真紅の瞳が更に赤く染まっている。
「クク……相変わらず派手な野郎だぜ」
高杉さんはせせら笑いを浮かべると、私の肩に顎を乗っけた。
挑発的な態度に青筋を立てる銀さん。
木刀を握る手から血が滴っている。ガラス戸を破った際に負傷したのだろうか。
「談笑する気なんざねェんだよ。とっとと貴女を返しやがれ」
「悪いがそりゃ聞けねェお願いだ。俺もこいつに惚れ込んじまったもんでね…ククッ」
「……んだと?」
「俺ァ譲らねえぞ…銀時、例えお前と斬り合う事になってもな」
「あァそうかい…じゃあ今すぐテメーをブッ殺して奪い返す……‼︎」