第4章 銀河系ラプソディー[R18]
『おっ…お侍様…‼︎』
「高杉…⁉︎」
土方さんは同時に声を上げた。
その表情は心底驚いたといった様子だ。
一方の私は再び巡り会えた喜びは勿論のこと、この奇人変人と一緒に金色蝶の君が居る事に驚いていた。
相も変わらず女を狂わせるその流し目。
私の姿を捕らえた薄い唇がにやりと笑う。
「誰かと思えば…へェ、世の中まだまだ捨てたもんじゃねえなァ」
ククッ。
特徴的な甲高い笑い声が聞こえた。
はだけた着物から覗く艶っぽい肌に頬を染めていると、突然宙に浮くような感覚に襲われる。
『……!⁉︎』
私は担がれていた。
あろうことか金色蝶の君に。
「てめっ!何してやがる⁉︎」
「よォ、お巡りさん…どっかで見た顔だなァ。悪いがこいつァ頂いてくぜ」
ふわりと香る煙管の匂い。
見た目より逞しいその腕に抱かれた私は今にも心臓麻痺を起こしそうだ。
「はァァ⁉︎ っざけんな!今すぐその手を離しやがれ‼︎」
言いながら土方さんは抜刀する。
対する金色蝶の君はその軽い身のこなしで突っ込んだ戦艦に飛び乗ると、未だ痴話喧嘩を繰り広げている奇人変人に声を掛けた。
「ヅラ、坂本…ボサッとしてねェで来い。ワープするぞ」
『…わーぷ?』
「偉そうに言うな。キャプテンは俺だと何回言わせるつもりだ貴様」
「じゃあのう、真選組のお侍!空けた穴はしっかり弁償するき安心したまえ!アハハハハ」
天板に空いた穴よりもよっぽど大きな口を空けて唖然とする土方さん。
それを他所に宇宙からの客人トリオはあっという間にズラかってしまう。
大勢の隊士達が現場に辿り着いたときには時既に遅し。絶叫する土方さんだけが独り取り残されていた。
「結局俺のベッドシーンは無しかよ畜生ォォォ!‼︎」