第4章 銀河系ラプソディー[R18]
気が付けば私達の周囲は真選組が取り囲んでいて、マダオは問答無用でしょっ引かれて行った。
バズーカ片手に悪漢を連行しているのは銀さんの取り巻き1号だ。1号はチラリと此方を振り返って愛用のスマホをチラつかせる。
画面には何処かで見た“盗聴アプリ”の文字。
悔しいけれど今回はあの変態警察官に救われたようだ。
「…大丈夫か?」
土方さんは自らの隊服を私に羽織らせて肩を抱いてくれた。
そこに先日のような色情は感じられず、優しさや気遣いといった繊細な雰囲気が滲み出ている。
「乗れよ。送るぜ」
当たり前のように助手席のドアを開けてくれる土方さん。短くなった煙草がジリジリと煙を上げている。
初めて見るパトカーの内装を眺めながら立ち尽くしていると、鋭い両眼に顔を覗き込まれた。
「オイ、どうした?」
『……っ』
「オイ…どうした⁉︎」
鬼の副長は知ってか知らずか同じ事を二度繰り返している。私の頬を涙が伝っていたからだ。