第4章 銀河系ラプソディー[R18]
ピィィー…ッ‼︎
突然、高らかな笛の音が聞こえた。
四方八方で鳴り響いているみたいだけど…この音は一体?
「ひ、ひ…っ」
自分の置かれている状況を理解したのか、マダオは酷く怯えているようだ。
視線を右往左往させて周囲に目を走らせている。
『……?』
ガサッ
右前方の茂みで葉の擦れる音がした。
直後、マダオの頬すれすれに銀の刃が差し込まれる。その切っ先は今にも襲われんとしていた私の鼻先で鈍い光を放っていた。
「天女を手篭めにしようとした悪漢に、この俺が最期の言葉をくれてやる。苦しみ抜いて死ね…以上だ」
「ひィィ…ご、ご慈悲を‼︎」
「慈悲だァ?そんなもん、地獄の鬼に乞いやがれ糞野郎」
ハスキーな声に乗って白煙が揺れる。
マダオの肩越しに此方を見下ろしているのは泣く子も黙る鬼の副長…土方十四郎だった。