第3章 SPARKIN’![R18]
『格好良かったなー…あの人』
買い物を終えた私は台所に立ちながら金色蝶の君に思いを馳せていた。
ジャガイモを剥く手が完全に止まっている。
というか刺さっている、包丁がそりゃもう…グッサリと。
「貴女…血出てるアル」
『へっ?』
「自分の手見てみるヨロシ」
『…ぬわァ!なんじゃこりゃァァ‼︎』
往年の大物俳優を真似て騒ぐ私。
怪我に気付いた新八は慌てて絆創膏を巻いてくれた。
「ちょ、どんだけ深く切ったんですかコレ!」
『はは…ちょっと考え事してて』
少し思わせ振りに言ってみる。
そんな自分善がりな駆け引きをして銀さんの反応を待ってみたが、ソファで寝そべる銀髪からはイビキしか聞こえて来なかった。
その周囲には沖田達から貢がれたのであろう品が所狭しと並べられている。
銀さんが雑食…平たく言えばバイセクシャルだったという衝撃の事実に複雑な思いを抱きながら、私の一日は過ぎて行くのであった。