第3章 SPARKIN’![R18]
「てめーらいい加減にしやがれ糞ホモ共がァァァッ‼︎」
隊士達を成敗する土方さんの雄叫びが背後で聞こえる。
私は神楽に頼まれた“スペース酢昆布バブルスエディション”とやらを買いにターミナルへ向かっていた。
『わあ……!』
摩天楼よろしく聳え立つターミナルを見上げた私は感嘆の声を漏らす。
溢れ返る天人の波。
見た事のない異文化の数々に私の心は沸き立った。
「きゃあァァッ‼︎」
突如として聞こえた女の悲鳴。
遠くの方でざわめきが起こっている。
『え、何…?』
不思議に思って目を凝らした。
細めた私の両眼に映った物、それは…その全身を無数の棘で覆ったモンスターだったのである。
「ばっ…化け物だァァ!」
「逃げろォ!殺されるぞーっ‼︎」
逃げ惑う人間達。
その中には勿論天人の姿もある。
「どこぞの皇族がまたペットを逃がしたんだとよ!」
「ったく冗談じゃねェぞ、あの馬鹿皇子‼︎」
走り去る群衆が口々に叫ぶ声。
耳を劈く化け物の咆哮は猛スピードでこちらに近付いてくる。
逃げなきゃ…!
殺される…っ!
頭では分かっているのに体が動かない。
化け物の巨大な口が眼前に迫った時、私は死を覚悟して目を閉じた。