第3章 SPARKIN’![R18]
それから数日後のことだ。
私は万事屋を埋め尽くす大量のスイーツに囲まれてげっそりとしていた。
「旦那、今日はデパ地下でロールケーキ買ってきやした!」
「うむ苦しゅうない、今すぐ俺に食わせろ。特別にあーんさせてやる」
「かしこまりました!おい山崎ィィ!苺牛乳持って来い、旦那のティータイムだ‼︎」
馬鹿だと思った。
むしろ馬鹿でしかないと思った。
あれだけ凌辱された私の気持ちは何処へ行くんだ、私のドキドキを返せ。
そんな事を考えながら私はソファに座る。
「うちの馬鹿共が迷惑かけてすまん…いや、マジで」
青い顔で私の隣に腰掛けているのは土方さんだ。あれ以来万事屋に入り浸っている隊士共を成敗しにやって来たらしい。
土方さんの視線は窓の方に注がれていた。
うっすら見える人影は近藤の物だろう、間違いなく。
『いえ…あの、こちらこそ色々とすみません』
元はと言えば私という異端者がこの町にやって来たのが原因なのかもしれない。
私はそんな思いで謝罪を述べる。
少し自惚れっぽい気もしたがもうそんな事に構っている場合じゃない。
今や万事屋の中はホモだらけ。
二丁目の帝王と化した銀さんは踏ん反り返ってスイーツを食べている。
私は深い溜息と共にその場を後にした。