第3章 SPARKIN’![R18]
市中引廻し。
そんな刑罰があるのはご存知だろうか。
これは、死刑囚を馬に乗せ罪状を書いた捨札等と共に刑場まで公開で連行していく制度である。
「や、やめてェ!この通りだ、許してくれェェ‼︎」
股間にモザイクをかけた状態で引き回される男、真選組局長・近藤勲は泣きじゃくっていた。
罪状は勿論、公然猥褻罪及びストーカー規制法違反。噂の“万事屋の女”を一目見ようと私達を付け回していたらしい。
既に天誅を下されたあんパン山崎は白目を向いて気絶している。
「問答無用だコノヤロー。つーか俺の許可無しに喋ってんじゃねェよコラ」
鬼より恐ろしい形相でゴリラを睨み付ける銀さん。
その手には卑猥な器具と沖田から奪い取った真剣が握られている。
ちなみに沖田は犬用の首輪を付けた状態で銀さんの横を歩いていた。その頬が赤く染まっているように見えるのは私だけだろうか。
「おいゴリラ、お前どっちがいい」
「へっ…?」
「バイブと刀。突っ込まれて死ぬならどっちがいいかって聞いてんだよ」
小さな悲鳴がゴリラから漏れた。
茶褐色の鍛えられた肉体も今じゃ情けなく見える。
銀さんは、冷徹なその表情を崩さない。
「お願い、許し…え?ていうか何で俺?死罪を受けるなら総悟じゃ…」
「馬鹿か。だからテメェは何時迄経っても人間になれねーんだよ。おい貴女、現実ってモンを教えてやれ」
『イケメンは正義だからです』
直後、一筋の涙がゴリラの頬を伝った。