第10章 最期に贈る言葉
「いや、だから違うって……俺は銀さんと義兄弟の契りを交わした仲でェ」
『じゃあどうしてコレを持ってるの⁉︎』
適当な路地を見つけた貴女は其処に珍宝を引き込みながら叫ぶ。
震える手に握られているのは、古ぼけた御守りだ。
「……っそ、それは…その」
貴女は自らの襟を割って首にかけた物を見せる。それは、珍宝が落としたのと全く同じデザインの御守りだった。
『銀さんなんでしょ……?』
「……」
『そうって言ってよ…‼︎』
溢れ出す涙。
崩れ落ちるか細い身体。
苦悶の表情でそれを見下ろす珍宝はひとつ大きく息を吐いて、こう言う。