第10章 最期に贈る言葉
かくして感動の……とは決して言えない再開を果たした二人。
かつての恋人が目の前にいるとは知らず貴女は言う。
『今すぐその着物脱ぎなさいよ。その淫猥な顔で彼のコスプレするなんて絶対許さない……‼︎』
その手には、いつの間に奪ったのだろうか。処刑執行人からもぎ取った真剣が握られていた。
「ひィィ…!女の子がそんな危ないモン振り回しちゃいけません……っ‼︎」
そんな珍宝の言葉も虚しく貴女は剣を構える。
『成敗!』
「ぎィやあああ‼︎」
珍宝が叫び声を上げて逃げ惑おうとした時であった。彼の懐から何かが落下したのだ。
それを見た貴女は血相を変えて珍宝に掴みかかる。
『ちょっと来て……‼︎』
「は⁉︎」