第10章 最期に贈る言葉
『んなこと言ってる場合じゃないでしょーがァァァ‼︎』
「ぶべら……っ!」
鈍い音と共に炸裂した貴女のフライングニードロップ。その光景を見た珍宝は慌てて橋の柵を飛び越える。
「ちょっ…アンタ何処行くのよ⁉︎」
「おい待て!事を荒立てると厄介なことになるぞ‼︎」
神楽と新八の制止も何のその。
光の速さで処刑場まで突き進んだ彼が取った行動に、周囲は度肝を抜かれることとなった。
「貴女…っ‼︎」
『……!⁉︎』
「良かった…お前、無事だったんだな!」
珍宝は、貴女を抱き締めたのだ。
あろうことか民衆のど真ん中で。
見ず知らずのチン○野郎に抱き寄せられた貴女がジャーマンスープレックスを繰り出したのは言うまでもない。