第10章 最期に贈る言葉
「いや…それが、かくかくしかじかで」
酒場に入っていく貴女を見かけた近藤は、久々に昔話でもどうかと酒の席に誘おうとした。
しかし、女性を誘うことに対して極度のコンプレックスを抱く悲しきゴリラ。
彼は貴女に声を掛けるタイミングが掴めずオロオロするばかり。
『で、話し掛ける機会を伺う内に身体の一部を改造された……と』
「はい…そうなんです」
両腕バズーカ砲に煙管を咥えさせられ涙を流す近藤。
貴女は悲しきゴリラを同情の目で一瞥して傍らに腰を下ろす。
『そもそも何でカーネルコス?』
「いや…あの、ウケを狙おうかと……久々に会うし、傷心…してるだろうと、思ったから」
カーネルライガー晋助ゴリラは弱々しく語る。
その気遣いに感謝しつつ、貴女はまたひとつ渇いた笑いを漏らすのであった。