第10章 最期に贈る言葉
そんな時である。
フラフラと家路についていた貴女は見覚えのある人影に足を止めた。
『……高杉さん?』
小汚い商店街の一角。
赤提灯に照らされた人影はかつての友人、高杉晋助に良く似ている。
貴女は込み上げる懐かしさを胸に歩を進めた。
しかし、何かがおかしい。
高杉との距離が近付けば近付く程その違和感は大きくなっていった。
『こ……れは…』
空いた口が塞がらない貴女。
それもその筈。
そこに居たのは高杉ではなく、カーネルサンダーライガー晋助だったのだ。
しかも、中に人間が入っている。
貴女はドデカい溜息を吐きながら中身の名を呼んだ。
『こんな所で何やってるんですか……近藤さん…』