第10章 最期に贈る言葉
「毎度あり」
マスターの言葉を背で受けて暖簾をくぐる。夜の帳が下りた商店街はなんだかヒッソリとしていた。
貴女は哀しげに目を細める。
以前はあんなに活気があったのに。
『……今の町を銀さんが見たら何て言うんだろう』
ボソリと呟いた言葉。
軽く目を閉じると愛しい姿が瞼の裏に浮かんだ。
“かーっ!シケてやがんなァ!白詛だか歯糞だか知らねェが酒場には活気がなきゃいけねェよ。いいか?大体繁華街ってもんはなァ…”
きっとこんな感じだろう。
『……はは』
得意のくどい台詞回しで自論を垂れる銀時を想像して、渇いた笑いが漏れた。