第10章 最期に贈る言葉
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銀時の死亡が確定した日より五年。
移り行く季節の中で地球は衰退の一途を辿った。
謎の伝染病がパンデミックを起こしたのだ。あろうことか、此処お江戸を中心として。
感染すれば半月で命を落とす奇病。
人々はそれを【白詛】と呼ぶ。
それは紛れもなく銀時の遺品に記されていた言葉であり、白詛の正体が【ナノマシンウイルス】である事も判明していた。
しかし人類に為す術はなく、明らかに人為的である奇病に抗うことすら出来ずに死に絶えていった。
荒廃した星に残ったのは総人口のたった三割弱。
その僅かな人間の中ですら日々争いは絶えず、かつて繁栄の象徴だった筈の江戸は見るも無残な姿に変貌していた。