第10章 最期に贈る言葉
行方不明者が辿る末路についてツラツラと説明して役人は去った。手元に残ったのは書類の束。
その中には死亡届も混ざっている。
去って行く男の背中に塩を撒く貴女。
そこへペットの定春がやって来て優しく鼻を摺り寄せた。
『…定春……っ』
白いフワフワの毛並み。
包み込むような温かさ。
貴女は泣いていた。
坂田銀時が残した面影を抱いて。
「ったく、あんのバカ……いつまでも何処ほっつき歩いてるアルか…!」
「早く帰って来てくれよ…銀さん‼︎」
神楽と新八もまた涙を流す。
坂田銀時はこの日、死亡扱いとされる事が確定した。