第8章 宇宙を駆ける兎[R18]
あれよあれよと云う間にチェックインを済ます少年。もちろん、私を片腕に担いだままだ。
部屋代を女将に支払う際、彼はポケットから何枚ものカードを出していた。
その色はプラチナからブラックまで何でも揃っている。
『セレブか!』
思わず突っ込んだ私。
少年は笑顔で言う。
「これ高杉のだよ」
『は⁉︎』
「女買う時は好きに使えって」
『……じゃあファミレスも』
「俺、デートはワリカン派なんだ」
『それも受け売り?』
「あはは、鋭いね」
ところでワリカンって何、美味しいの?少年はそう言ってヘラリと笑う。
どこまで冗談で、どこから本気なのか。
この少年の考えは一向に掴めない。