第8章 宇宙を駆ける兎[R18]
「大丈夫?」
『へっ⁉︎』
「冷や汗出てるけど」
『あ〜これは、えっと…なんか暑いね!初夏の夜だって云うのに蒸すよね〜!』
苦し紛れだと、自分でも思う。
それはそうとしてだ。
思わぬところで飛び出した知り合いの名に動揺しまくっていた私。
この少年……下手したら、いや、下手しなくても銀さんの名前を知ってるだろう。
誰かが言ってた。
“宇宙は狭ェな”
狭すぎるよ。
なんなら猫の額レベルだよ。
むしろこのお江戸で彼等を知らぬ者の方が少ないと云う事実。
私は改めて凄い人に拾われたもんだと、妙に感心してしまった。