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三日月。☆黒子のバスケ

第1章 重ねた影。~私編~


「テツくんを知らないなんて!テツくんはすごーくかっこいいんですよ!」

そう言って早口で『テツくん』の魅力を
延々と語る桃井さんの表情は楽し気で
まるで"恋"をしているようだった。

…ん?
恋…!?

「え?もしかして桃井さん、そのテツくんの事好きなの?」

私が驚いたようにそう聞くと、
桃井さんは顔を真っ赤にした。

「い、いえ!ま、まだ好きとは…ふふっ!」

桃井さんは笑って誤魔化すと『さ!早く着替えましょう!』と言って、鼻歌を歌いながら着替えをはじめた。

私達もすぐに着替えをはじめ、
着替え終わると、待ち合わせ場所である校門へと急いだ。

「あ!おーい!美海ちゃん!こっち!こっち!」

黄瀬くんが大きく手を振り、
私たちを呼ぶ。

私は二人より速く走ってみんなの元へ向かった。

「ごめん、ごめん!お待たせ!」
私は少し切れた息を整えながら謝った。

「ったく。おせぇーよ!何やってんだよ!」

青峰くんがクシャっと笑い、
私の頭を軽く小突いた。

「ご、ごめんってば!桃井さんの髪型がなかなか決まらなくて…」

私がそう言うと、
青峰くんは少し驚いたように
私から目線をはずし、桃井さんの来るであろう方向を見つめた。

「さつきも来るのか。」
そう呟き、桃井さんを見つけ、
見つめる表情はすごく嬉しそうで

また胸がえぐられるように痛んだ。





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