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三日月。☆黒子のバスケ

第3章 三日月。


「あの…あのね…」

私は彼がどこにも行かないように
手を掴んだ。

言いたい事はたくさんあるのに、
言葉にならない。

溢れる涙が止まらなくて、
きっと今の私は
ものすごくひどい顔をしていると思う。

「…っぷ。ふふふ。」

不意に黒子くんが笑い出す。

「…え!?」

「いえ、すいません。なんだか…嬉しくて…。」
黒子くんはそう言って下を向いた。

「家の前で別れたあの瞬間で…最後だと思っていました。だから、追いかけて来てくれて…嬉しかったんです。」

「橋本さん。僕は君の事…今でも好きです。」

彼は真っ直ぐに私を見た。

「諦めようと思いました。僕じゃ君を幸せには出来ないから。…でも、やっぱり好きなんです。」

彼の目から
涙が溢れる。

「胸が苦しいんです。どうしていいかわからなくて…」
彼の声が震える。

「わかってるんです。諦めなきゃって…でも、無意識に君を探してしまう。辛いんです。」

「…っ。」

私は彼を

強く強く

抱きしめた。


「!!!」


ほんの少しだけ私より
背が高いだけの彼は…

思ったよりもがっしりしていた。







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