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三日月。☆黒子のバスケ

第2章 重なる光。~僕編~


人ごみの中、
彼女の名前を叫んで呼んでみたが、
彼女は見つからなかった。

会って、
もう一度、きちんと気持ちを伝えたかった。

そして、
この曖昧な関係にしっかりと終止符を打ちたかった。

閉園のアナウンスが流れる。
端から端までくまなく探したはずだが、
彼女は見つからず、

僕はとぼとぼと
メリーゴーランドの楽しげな音楽と
光に誘われるまま、歩いた。

ふと、求めていた後姿を見つけた。

なんと声をかけて良いかわからず、
僕は適当な言葉を探した。

「遊園地、閉まりますよ。」

僕のその一言に、
彼女はうなだれていた顔をはっと上げ、
振り返った。

その顔が何故だかすごく嬉しそうで、
僕は何故か笑ってしまった。

「いつものように叫ばないんですか?」

僕がそう言って手を差し出すと、
彼女は僕の手をぐっと握った。

嬉しさと同時に
再び胸がギュッと痛んで、

僕は聞きたくもないことを聞いてしまう。

「うまく、行きましたか?」

その問いかけに、彼女は表情を曇らせた。

そして、彼女は頭を下げた。
「今まで本当にごめんなさい…。」

その謝罪の意はすぐに分かった。
それと同時に…
世界が完全に崩壊していくような気持ちになった。

「最初から知っていました。」

僕は頑張って笑顔を作った。
彼女は驚いたように僕を見つめた…。


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