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三日月。☆黒子のバスケ

第2章 重なる光。~僕編~


「…青峰くんの代わりでも…嬉しかったんです。」

僕は彼女から目をそらした。
クルクルと楽し気に回るメリーゴーランドを眺めた。

「たとえ僕を通して別の人を見ていても、愛しそうに僕を見つめてくれる君の顔が僕は愛しくてたまらなかった。ずっとこのままでもいいって…思ってました。」

「でも、それではダメだったんです。僕が君と居ることで、君は決して幸せにはならない。君の幸せを考えていませんでした。すいませんでした。」

そう言って僕は深く頭を下げた。

そこから僕は、
言葉を続ける事が出来なかった。

涙を堪えるのに必死で…
気持ちをもう一度はっきりと伝える事が
出来なかった。

僕は彼女に顔を見られないように
彼女の腕を掴むと…

そのまま遊園地を
後にした…。

もう、青峰くんの代わりも出来ない。
きっと、協力することだって…

僕と彼女が一緒に居ても
きっと彼女は幸せにはならない。

きっと今この瞬間が
最後の僕たちのデートなのかもしれない。

そう思うと、
胸が苦しくて、

目から涙が溢れそうだった。

涙を溢れさせないように
上を見ると…

少しだけ欠けた月が
輝き続けていた。

光が涙で滲んで
ぼやけて見えた。

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