第2章 重なる光。~僕編~
それから"開校記念日"になった。
僕は少しだけ早く起きてしまい、
待ち合わせ場所にも少しだけ早くついてしまった。
ぼーっとベンチに腰掛けていると、
青峰くんからメールが届いた。
「寝坊した。30分ぐらい遅れる。」
内容はそれだけだった。
僕は溜息をつき、
空を見上げた。
悠々と雲がながれ、
キラキラと太陽は輝いていた。
僕は腕時計を見た。
待ち合わせの時間が近くなっていた。
ベンチから立ち上がり、
背伸びをした。
『黒子くん!おはよ!』
突然話しかけられ思わず驚いた。
そこには橋本さんが居た。
いつの間にか彼女は
すぐに僕を見つけてくれるようになった。
思わず嬉しくなってしまい、
頬が緩むのを感じる。
「おはようございます。」
僕が挨拶をすると、
彼女はニコっと笑った。
「青峰くんが少し寝坊をしてしまったらしく、30分遅れるそうなので…少し時間を潰しましょう。」
僕がそう伝えると、
彼女は頷き、
僕達は歩き出す。
彼女の手がこちらに伸びるのが
見えた。
でも、僕は
その手を拒んだ。
また胸がズキズキ痛んで、
情けない気持ちでいっぱいになった。